サステナ経営検定3級を勉強中のみなさん必見。
試験の中でも複数のチャプターで取り上げられている国連グローバルコンパクト(UNGC)。
出てくるたびに「あれ、何だっけな?」と毎回テキストを読み直してはいませんか?
今回はサステナ経営検定3級を勉強中の私が国連グローバルコンパクト(UNGC)について解説します。
- 国連グローバルコンパクト(UNGC)とは
- 国連グローバルコンパクト(UNGC)の4分野10原則とは
- 国連グローバルコンパクトの4つのメリット
試験頻出の箇所をラインマーカーしたり、授業を受けているような板書になるようまとめました。
おまけコラムとして、国連グローバルコンパクトに署名するとどんなメリットがあるのかも紹介します。
勉強につまづいているという方の参考になれば幸いです。
ぜひ、合格を目指してがんばりましょう!
国連グローバルコンパクト(UNGC)とは

国連グローバルコンパクト(UNGC)とは、持続可能な成長を実現するための枠組みです。
2000年に国連と民間セクターが協力して発足した世界最大
1999年のダボス会議でアナン国連事務総長(当時)が提唱したことを皮切りに、2000年に国連と民間セクターが協力して発足。
歴代の事務総長も支持している世界最大のイニシアティブ(構想)です
なぜ国連グローバルコンパクト(UNGC)は始まった?
国連グローバルコンパクト(UNGC)が始まった背景には以下の理由があります。
- グローバリゼーションの負の側面が目立ったから。
- 国だけでは人類的課題の解決が不可能で企業・民間の力が必要だから。
CSR活動はもともとの中心は企業ではなく、NGO/NPOや地域活動が主軸でした。
グローバル化が進むにつれて企業の力や理解・協力が必要となってきたため、国連グローバルコンパクト(UNGC)が始まったのです。
国連グローバルコンパクト(UNGC)の4分野10原則とは

国連グローバルコンパクト(UNGC)には、4分野に分かれ、それぞれの分野を更に細かく、10個の原則を策定しています。
まずは4分野を押さえて、そこからクローズアップして10原則を見ていきましょう。
国連グローバルコンパクトの4分野
国連グローバルコンパクトは、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野に分かれています。

4分野は穴埋めでも頻出!とくにサステナ経営検定3級では「腐敗防止」が空欄になりがちです。
各分野は下記の表のような世界的に共通している指導原則を元で作られています。
4分野 | 元になった指導原則 |
---|---|
人権 | 世界人権宣言 |
労働 | 国際労働機関(ILO) |
環境 | 地球サミット(国連環境開発会議) |
腐敗防止 | 国連腐敗防止条約 |
国連グローバルコンパクト(UNGC)へ署名することで、企業や団体が持続可能な社会の実現に向けて取り組む意思を表明することができます。
そして現在、国連グローバルコンパクト(UNGC)の署名状況は下記のとおりです。
- 2024年8月現在、167ヶ国2万5,000超えの団体がUNGCの原則に署名
- 企業は約80%、他には労働組合・NGO・自治体など
- 日本では約643団体が署名(2025年3月現在)
署名企業には10原則に関する取り組み状況についての報告書を年1回提出する必要があります。
しかし、これはCSRレポートの提出で代用することもできます。
「ビジネスと人権」「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」「児童労働」の分野の課題でも、国連グローバルコンパクト(UNGC)の原則は踏襲されています。
国連グローバルコンパクト(UNGC)の10原則
4分野 | 10原則 |
---|---|
人権 | 1. 国際的に宣言されている人権の保護を支持し尊重する |
2. 自らが人権侵害に加担しないよう確保する | |
環境 | 3. 結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持する |
4. あらゆる形態の強制労働を撤廃する | |
5. 児童労働の実効的な廃止を支持する | |
6. 雇用と職業における差別を撤廃する | |
労働 | 7. 環境問題への予防的アプローチを支持する |
8. 環境に関するより大きな責任を率先して引き受ける | |
9. 環境にやさしい技術の開発と普及を奨励する | |
腐敗防止 | 10. 強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止に取り組む |
国連グローバルコンパクト(UNGC)の10原則は4分野をより詳しく説明する形で制定されています。
国連グローバルコンパクト(UNGC)の4つのメリット

ここでは国連グローバルコンパクト(UNGC)の4つのメリットを紹介します。
試験のテキストではメリットには触れられていませんが、より理解度を上げやすくするために紹介します。
企業イメージUP
国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名すると、企業イメージの向上に繋がります。
なぜなら、SDGsなどの社会課題に取り組む姿勢をアピールできるから。
署名企業には10原則に関する取り組み状況についての報告書を年1回提出が必要なため、簡単ではありません。
しかし、「より良い社会」を目して積極的に取り組むことで、企業ブランドの価値が高まり、ステークホルダーからの信頼の向上も期待できます。
国連機関・政府・NGO等との繋がり
企業は国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名する国連機関・政府・NGO等と繋がることができます。
SDGsの目標達成には企業の力が必要ですが、反対に政府やNGOの力ももちろん必要です。
民間・企業・国連機関・政府・NGOと協働することによってお互い刺激になり、異なる視点の情報が共有できるでしょう。
そのため、国連機関、政府、NGOなどと連携することで、課題解決の新たな手法を共有する機会が得られます。
各種セミナーへの参加
国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名した団体は各種セミナーへ無料で参加することができます。
基礎的知識や最新情報を得るのに効果的だからです。
他社事例や最新動向を共有することで、会員企業の課題解決に結び付けるメリットも。
セミナーでの経験を活かして、学び、様々な知識・経験を共有する機会を増やしていきましょう。
UNGCのロゴの使用が可能
署名・参加団体は、国連グローバルコンパクト(UNGC)のロゴの使用が可能です。
ロゴを使用することで、SDGsなどの社会課題に取り組む姿勢を見せられ、企業価値の向上が期待できるから。
自社内だけでなく他団体から客観的に認められることで企業価値やSDGsへの取り組みの信頼性をアピールできるでしょう。
このように、国連グローバルコンパクト(UNGC)のロゴにより、CSRに真摯に取り組む企業であることをアピールできます。
まとめ
国連グローバルコンパクト(UNGC)は、普段の私たちは国連との接点がほとんど無いため、馴染みがなく、理解するのは難しいことでしょう。
試験では国連グローバルコンパクト(UNGC)のメリットは範囲ではありませんが、仕組みを知ることで理解度が上がるはずです。
国連グローバルコンパクト(UNGC)に参加することで、SDGsへの貢献姿勢を内外に示すことができ、信頼性の向上や国際的な評価にもつながるなど、企業にとって多くのメリットがあります。
サステナ経営検定3級では頻出の重要なテーマですので、これを機にしっかりと理解しておきましょう。
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